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2006年9月 1日

2006年9月 1日

第30回JBCフォーラム in Foster City (20060901)

JBCフォーラムが 豪華2本立てで、 しかも場所は今回初めての開催場所として フォスターシティー(Foster City) の コミュニティーセンターで行われた。

今回のJBCフォーラムは以下のような豪華2本立て。
  1. 制度改革のための医療経済学セミナー
  2. 米国アカデミア Job Huntingの表と裏


ひとつ目の「制度改革のための医療経済学セミナー」は、 最近「 「改革」のための医療経済学 」を出版された 兪(ユウ) 炳匡 氏。 この本のスゴイところは、忙しい読者のためにいきなり総括から始まること。 今回のセミナーでもこの本の手順に従い、いきなり総括となった。 その部分の要約をチョットだけご紹介させていただくと
  • 医療費高騰への対応策
    • 「小物格の犯人」を追い回しても政策上のメリットは軽微
      • 高齢化、医療保険の普及、医師数、国民所得の増大はいずれも小物
    • 医療費上昇率の半分ないしそれ以上も寄与する最大の黒幕(要因)は?
      • 医療技術の進歩が有力
  • 政策の形成・選択は「理念」の選択
    • 正解の存在しない「理念」に関わる問題への答を事前に明らかにする
      • 例-1 最低限の医療は政府が保証すべきか
      • 例-2 政府が最低限の医療を保証すべきなら、政府支出のどの程度を医療に割くべきか
      • 例-3 コスト削減の手段の選択
  • 改革案:国際的・普遍的な失敗例
    • 医療保険制度における民間営利企業の役割拡大
    • 医療機関への民間営利企業の参入
    • 医療機関への診療報酬の一律引き下げ
    • 患者の窓口負担増
ということ。 特に、政府の財政負担を削減するためには、

予防医療をやめる
→ 喫煙を奨励(税収が見込める)
→ 病気にかかり早死にすると長期的には総医療費は節約できる
→ 早死にした人々への年金を節約できる
→ 財政負担を一層削減できる
→ タバコを吸って財政赤字を削減しよう

となる。このように医療経済学の見地からすると、 人は早く病気に掛かって死んでくれた方が経済的だ、という結論のようだ。 ところが、これでは医療とは呼べなくなってしまうので、 そこんとこをどうするかが問題のようだ。 詳しくは、兪(ユウ) 氏の著作「 「改革」のための医療経済学 」をご購入ください。

2つ目の「米国アカデミア Job Huntingの表と裏」については、 今までのスタンフォード大学でポスドクから、 このたび インデアナ大学(Indiana University School of Medicine)の に Assistant Professor にご就任される 高木雄一郎さん。 今回のセミナーでは、高木さんの今までのご経験をお話いただいたが、 その中でもポスドク期間において如何に時間が足りないかをアピールされていた。 例えば、ポスドク3年間で、Assistant Professor を目指す場合、 Assistant Professorを選考には通常約1年前から審査が行われる。 そのためには、その時点で、論文が発表されていなければならない。 論文を発表するためには、最低でもその半年前には、 実験を終了し、成果をまとめておかなければならない。 すると、実際の研究に使える時間は1年半しかない。 特に、日本からポスドクとしてアメリカに来た場合、 慣れてない環境の中、1年半で研究成果を出すことは並大抵のことではない。 どの業界でも、第一線を目指す道は厳しいということのようだ。

【参考リンク】

カテゴリー: JBC/LSJ     22:58 | コメント (0) | トラックバック (0)

 
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